ご両親の家を相続などで譲り受けたのはいいものの、所有した空き家を特に何もせず放置している方もいるかと思います。 空き家を放置し続けたままだと、維持費だけでもかなりの金額が必要となり、家屋としての価値が下がり、売り時を逃してしまったり いずれ損してしまう恐れがあるので注意が必要です。
また近年「空き家問題」が取り沙汰され、大きな問題となっています。 空き家は近隣トラブルなどが増える場合がありご自身だけではなく、周囲の方々にも関わってくる問題となります。 この記事では、空き家のデメリット・活用方法をご紹介いたしますので参考にしてみてくださいね。
目次
2021年現在、日本には約848万戸の空き家があり、2013年住宅・土地統計調査(総務省)によると、
松本市の空き家数は18,840戸
空き家率(全住宅総数に占める空き家の割合)は16.4%で、全国平均の空き家率13.5%を上回る数字となっています。
また、空き家総数から別荘・賃貸等を除いた、その他の空き家は7,040戸と5年前の調査から970戸増えています。 超少子高齢化社会を迎え、地域における社会ニーズの変化や家族構成、既存の住宅や建物の老朽化に伴い、年々全国的に空き家が増加傾向にあります。
空き家には様々なデメリットが付き物です。
築数年がかなり経過している空き家は、既に老朽化が始まっているにも関わらず、放置されさらに傷み、いずれは朽ち果てます。 人が住まなくなると、風を全く通さない状態となり木材を腐らせ、建物の老朽化を加速させてしまいます。
雑草や庭木が生い茂り、野良猫やネズミ、虫の住処にされてしまい近隣の方に迷惑をかけてしまう場合もあります。
放置された空き家に目をつけて不審者の侵入や、犯罪の場として使われることもあります。
放火犯により火事が起き、腐った建物の木材はとても燃えやすいので、最悪の場合近隣の建物まで延焼させてしまう恐れもあります。
また、地震や台風が来て倒壊するリスクもあり危険です。天災であったとしても、近隣の建物や車への損害、
通行人の怪我をさせてしまうと、その損害賠償を請求されることもあります。
放置された空き家のエリアを見ても、良い印象を持ちませんよね。
空き家があるだけでそのエリアの資産価値が下がると言われており、所有者だけではなく、近隣住民への環境を悪化させます。
空き家を放置してしまう要因は、日本では中古物件があまり人気がないことや、 解体費用の問題、税制度の問題などではないでしょうか。
また、「親が高齢となり施設へ移り、本人が管理できないために家族が管理している。
けど“自宅から遠い”、“遠方にあって状況が確認しづらい”」など、
「距離」も空き家対策の最大の問題となっているようです。ご家族の方にもそれぞれ生活があり、
空き家になった親の自宅管理までできないこともあると思います。
使わなくなった住宅を「貸す」「売却する」「他の用途に使う」など活用しなければ、今後も空き家が増えると思われます。 空き家の所有者が複数名いる「共有」ですと、空き家を活用するにもその所有者全員の承諾が必要となり、 相続を重ねて一層の複雑さを増すことがないよう早めの整理、名義を確認し変更しておきましょう。
空き家の解体工事を行うために、松本市の空き家解体補助金制度を利用することができます。
例えば、ブロック塀等の倒壊を防ぐための撤去費用や、倒壊する危険が高い特定の空き家と認定された住宅等には解体費用の補助が受けられます。 ご自分が行いたい工事で補助金が申請できるかどうか、一度確認してみてもいいですね。
住宅が建っている土地は、「住宅用地特例」という減税制度が適用されて固定資産税などの税金が安くなっています。
そのため、空き家を解体すると住宅以外の用途に使うこともできるため、「住宅用地特例」は適用されなくなってしまい、固定資産税の課税(最大6倍)が課せられてしまいます。
そして空き家問題を解決するために、国は「空き家対策の推進に関する特別措置法(空家対策措置法)」を施行しました。
これにより管理が適切でない空き家、さらに倒壊の危険性があり周辺の生活環境を著しく乱す住宅は
「特定空家等」として認定され、市町村から住宅の修繕や撤去などを指導、勧告されます。
勧告が出されると、空き家を解体しなくても「住宅用地特例」が適用されなくなるため、
同様に固定資産税の課税を課せられてしまうため注意が必要です。
例として、敷地面積が180㎡で、土地の課税評価額2000万円
建物(木造・築35年)の課税評価額が1000万円だった場合の固定資産税は、
【土地】2000万円×1/6×1.4%(税率)=46,666円
【建物】1000万円×0.2×1.4%(税率)=28,000円
【合計】約74,000円
となります。
これが更地になった場合には、建物がなくなり土地のみとなりますので、
【土地】2000万円×1.4%(税率)=280,000円
建物のあるなしだけで、税額にとても差が出てきます。
更地にした翌年には、高額な固定資産税がかかってきますので、それまでに建替えや売却の見込みがあるなど、解体は計画的に行うことが重要です。
松本市は空き家の有効活用を行い、松本市への定住・移住による地域活性化を図ることを目的として「空き家バンク」を開設しました。
空き家バンクに登録すると、空き家のリフォーム工事費用の一部に補助金を利用することができます。
自治体が運営する仕組みなので営利目的としていない「空き家バンク」に登録するのも一つの手ですね。
松本市だけでなく、塩尻市、安曇野市などの地域にも補助金、空き家バンク登録はありますので、各自治体のホームページでご確認ください。
深刻化する日本の「空き家問題」に対して国や松本市もさまざまな取り組みを行っています。
老朽化による倒壊の危険や、解体後の固定資産税が上ることなどを考えると、空き家をそのまま放置してしまってはもったいないですよね。 松本市の補助制度でお得に空き家リフォームをできるので、売却や賃貸にして今後の収入源として、 有効活用することも視野に入れてご検討してみてはいかがでしょうか。
どのような選択をするのが最善かわからないという方もいらっしゃると思いますので、一度不動産会社に空き家の活用方法について相談してみましょう。 もちろん当社でも、ご不明な点やご要望、ご相談など随時承っております。お気軽にお問合せくださいませ。
読んでいただき、ありがとうございました。